新年度も近づいてきました。
これから研究室配属になる学生にとって、
これまでのキャンパスライフから大きく変わるであろう研究室配属は、不安と期待で胸が。。。
いや、ぶっちゃけ不安だらけだと思います。
今回は、あくまで一例ですが、自分の研究室時代の生活の概要を書きます。
どんな生活が待ってるのか不安でしょうがない人、
結論から言えば、研究室によって違いすぎるので他人の例を探すのは無意味っちゃ無意味です。
ですが、とりあえずなんでもいいから話聞きたいっていうその気持ち、わかります。
不安を紛らわす一つのストーリーとして、僕個人としては満足した研究室生活の話をお読みください。
修士の時点で研究室が変わっているので、今回は学部4年で所属していた無機化学系研究室の1年の話です。
そもそも研究室配属って不安だよね
まあそりゃそうです。
特にそのインパクトの大きさからブラックな研究室の話題になりがちです。
東北大学ではスタッフが過労で自殺とかニュースになってましたし。
「研究室は週6日半だ」だとか、
「毎日研究室で次の日付に変わる」だとか、
そういう噂は一回聞いたら頭を離れません。
僕は化学系なので化学系の話しかできませんが、
実際、上の噂の例はかなりハードな研究室の例だとしても、大概、
「学部生時代の生活における勉強時間、授業時間」<<「研究室滞在時間」
となります。
これまで、「火水木は学生実験の授業とレポートで午後丸々潰れるけど、月曜金曜は3限だけ〜」
って生活をしていた学生が、配属前の研究室見学に行き、
「コアタイム(絶対研究室にいないといけない時間)は9時〜17時かな。」
とかって聞くと青ざめるわけです。
見学にきた3年生集団に目をやると、
「無理だよ、死んじゃうよ」
という心の悲鳴が表情から漏れ出づる瞬間です。
一方で、極めて平和な3年間を過ごしてきた学部三年生という生き物は、
「いや、実際先輩は皆卒業してるんだしなんとかなるんだろう」
というなんとかなるさ精神も同時に皆持ち合わせます。実際とても重要な考え方だと思います。
「無理だよ、死んじゃうよ」
「なんとかなるか」
この二つの感情が行ったり来たりした結果、
結局心の安寧を求めてできること言えば
「研究室生活って実際どうなんだろう、きついんかな・・・」
という調べ物です。
ですが、実際にはそれで根本解決はしないでしょう。
だって生活スタイルなんて研究室によって違いすぎるんだから。
それがわかった上でも、不安が紛れるような気がして色々と調べちゃう気持ち、わかります。
この記事も、不安の根治は鼻から目標ではなく、
化学系の研究室配属が不安な学生の不安な時間潰しのための読み物です。
どうぞ
配属されたのは光触媒を扱う無機化学系の研究室
ついに始まった研究室生活。
僕の配属になった研究室は光触媒で太陽エネルギーと水から水素と酸素を取り出す研究室でした。
俗に言う人工光合成ですね。企業でいうと東芝とかもやっていたかもしれません。
無機化学系は緩い?→少なくとも表面的には緩い傾向があった。
一般的に、無機化学系の研究室は例えば有機化学系の研究室と比較して生活スタイルとしては緩いイメージがあると思います。
僕の印象では6割くらい正しい、くらいの感覚でしょうか。
僕の大学では、ですけど、
無機系ではコアタイムのような束縛要素が少ないという傾向は間違いなくありました。
僕の配属された研究室もコアタイムというものは存在しませんでした。
つまりは何時に来て何時に帰ってもいい。
ただし、皆ちゃーんと来るんですよ。
先輩も同期も。もちろん先生も。
そんな中「ちーっす」って11時とかに来れますか?笑
しかも配属直後なんて教えてもらう立場でしかないですからね。
そんな日頃の行いで教えを乞うなんてことはできず、
自律的にそこまで緩くはない生活を送っていましたね。
至極真っ当で好きでした。
たぶん、配属前の学生ってホワイト研究室というともっと自由奔放な生活をイメージしていると思いますが、そういうところもありますが、
そういうところは逆に放置プレイすぎて力が身につかず、
長い目で見ると楽な道ではないというのが僕の考えです。
結局どんな1日を過ごすのか
というわけで、結局みんな偉いので
10時前には揃うし、18時ごろまではいることが多かった。
やることとしては、メインは当然実験。
無機材料の合成ってお菓子作りみたいなものなんですよね。
つまり粉をまぜまぜして焼く。
できたものを試食・・・じゃなくて性能評価。
評価の反省を活かして次の試作。
もし外に発表できる良い性能をもったものができたら、どうして良い性能を発揮するのかの分析。
こんな感じの流れで研究していました。
ですが、ほとんどの実験がそれほどつきっきりじゃなくていいんですね。
つまり、朝来て、2時間くらいかけて合成を開始して、(お菓子作りで言えばオーブンにぶち込んだあたりですかね。)
そのあと4時間放置、みたいな。
その間はお昼ご飯を食べてから資料をまとめたり、別の合成を同時にスタートさせたり。
指導教官とディスカッションしたり、論文読んだり。
もしくは、
キャッチボールしたりバスケしたり。
結構この時間は自分で過ごし方を決められてゆるゆるできる時間でしたね。
冬は全豪オープンみたりもしていましたし、必要があれば郵便局行ったりとかもしてました。
こういった時間が社会人には皆無で羨ましいですね〜。
で、ほとんどルーティンワークになっているその日の反応が終わったら、反応停止の操作をして、
また1時間放冷・・・。
過ごし方は上記と同様。
やるべきことがあればやるし、なければ自由時間。
後片付けなどが終われば、基本的な1日のタスクは終了。
18時とかになります。
余裕があれば帰るし、発表準備などがあればデスクワークをしてから帰ったり。
こんな感じで、1日のうち、何回か馬力を出さないといけないシーンがあり、残りは自由にタスク消化したり、やりたいことやったり、そういう1日になっていました。
なので、10時〜18時は研究室にいるといっても、かなりストレスフリーな条件でしたね。
で、周りを見てみると、無機系の研究室はこういうスタイルの研究室がメジャーでした。
ちゃんと調べるべきですが、少なくとも僕の大学、専攻では基本的に無機系はどこもこのような生活だったと思います。
指導教官も仏のような御仁だったので、その辺はかなり生きやすい研究室だったのは確かだと思います。
一年の行事について
さて、上記は特になーんもない時の過ごし方です。
ですが実際には色々研究室の行事というものがあります。楽しくはないやつ。