研究室の先生からのプレッシャーで就活しにくい状態の理系大学院生が持つべき考え方

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企業はその人の研究を一段広い目で見ている。

大学院の就活生は、その多くが学生時代の専門に近い分野の企業を受けると思います。

 

逆に多くの大学院生が受けにくる企業はどう選んでいるんでしょう。

 

冒頭でお話ししたように、最近人事とリクルーター活動に携わりました。

そこで強く感じたのは、

(少なくともうちは)思っていた以上に「研究生活」をよくよく見ています。

 

これだけ聞くと、これまで研究成果が出ていない学生さんはがっかりするかもしれません。

 

まるで、

「なーんだ、結局性格じゃなくて顔かよ!」

みたいな。いや、違うかもしれないけど。

 

就活を早いうちから焦る学生さんというのは、

研究成果が出ていないからこそ、就職活動に早めに取り掛かって、面接慣れだったり、ESをブラッシュアップする・・・。

 

これ、合理的なようで、自分の価値観しか見えていない危険性があります。

 

その自分の価値観というのは、

OB訪問とか行けば行くほど有利、とか、

面接は些細な所作の減点式だ、とか、

自分が推せるのはサークルの会長経験くらいだ、とか

 

それっぽい内容のことではあるけれど、合否にクリティカルに効くものかというと、それは激しく疑問です。

 

つまり、合否の大勢に影響しないものばかりに気を取られていませんか?という問題提起をしたい。

 

そう思う理由は、「研究生活」という情報の宝庫をつつき放題なのに、採用側が重要視しないわけがないからです。

 

僕が言いたいことは既にピンときているかと思いますが、

「研究生活」っていうのは、少し深掘りして聞けば、

専門性だけでなく、人間性も色濃く見えてくるものなのです。

 

 

「研究生活」を構成する要素は仕事に必要な大部分を占めるのでは

よくよくフラットな気持ちで研究生活を考えてみてください。

 

例えば同じ「良い成果を持った人」でも、色々いますよね。

1、一生懸命論文読んだりして問題解決法を見出した

2、先生と自分からよく相談して効率的に進めた

3、たまたまうまく行った

 

1の場合あれば、専門力の高さ以外にも、自分の研究に対する主体性だとかを感じますよね。

2の場合であれば、もちろん協調性だとか社会性の高さが見え隠れするはずです。

3の場合、もし本当に運が良くて、出てきた成果に自惚れているだけであれば、成果がなんで出ているのかが聞いててわからないでしょうね。

 

逆に目立った成果がない場合でも、

1、アクションプランを語れるなど、計画は立っている。

2、打開策は持てていないが、これまでやってきたことの動機となるロジックをしっかり語れる

3、初めてその研究を聞いた人の指摘で右往左往

 

もちろん1、2、3の順にいいです。

1の人はこれまた主体性があり、さらに上位目的に結びつける計画立案能力まで伺えます。

2の人もしっかり自分で考えていて主体性はありそうです。また、先生と相談してやったことであっても、ただの作業者にはなっていないことが伺えます。

3の人は、印象としては先生に言われたことをやっただけになるでしょうね。

 

どうでしょう、

例えば成果が出ている人の1番と、成果が出てない人の1番の人、

そこに優劣を感じますか・・・?

正直どっちも立派ですよね。

 

そうなんです、

成果だけではなく、どうやって成果に結びついたか、自分の研究の今後を語らせれば、

人となりまで現れるものなんです。

 

それも友達としていいヤツかとかではなく、

一緒に働く人材としてどうなのかに直結する内面がバレます。

 

 

焦らなくて大丈夫。研究しかできない代わりに、一歩引いて自分の研究を考えておこう。

僕が思うに、企業が「研究生活」の内容を最重要視しないわけがないと思います。

上記の通りお宝情報の塊ですから。

 

理系が専門性を活かして就職する場合、

研究成果そのものが最重要というわけじゃないのはその通りだと思いますが、

研究は最重要だと思うべきです。

 

というわけで、先生が怖くて就活できないよ〜やばいよ〜という貴方。

焦らなくても全く詰みません。(もちろん期日までにESは出してください笑)

核心の部分は踏んできた面接の場数じゃない、自分の研究をどれだけ語れるかです。

 

逆にいつもと違った観点で研究頑張ってください。

実験増やすとかではなくて、

冷静に振り返って、自分が今やっている研究はどこに着地できるのかとか、

自分がここまで成果を出せた要因はなんなのかとか、

どういう人間的要素がより研究を前進させるのに重要かとか、

 

実際僕は結局4社しか受けていませんが、同時に学会も出ていて運良く研究のことをしっかりと考える必要もあったためか結局お祈りメールは一度も受信せず終わりました。

 

喋りもお粗末だったろうし、途中まで御社、貴社の使い分けすらできていませんでしたしね・・・笑

 

理系の学生が順当な進路に進みたい場合、

就活生力なんて、研究生活力に比べれば、大したことじゃないのです。

 

 

終わりに

研究生活をしっかり煮詰めて考えておければ、専門性、人間性両方をプッシュできるのはわかってもらえたかと思います。

結局やらないといけないのは自分の研究を真剣に考えることなのです。

大学の先生も実はそう思ってるからこそああやってブツブツ言うんですかね、わかりません。人によるかもしれません笑

 

 

最後に、何度か書いてきましたが、

あくまで、理系大学院生が自分の専門分野に進みたい場合の話です。

例えばコンサルになりたいとか、そういう人はしっかりその旨を先生に相談して就活しましょうね。

 

ちゃんと、相談できることだったり、その時先生に言われる言葉とかから面接の話は膨らむかもしれませんよ。

 

 

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