就活という戦いが終わった理系学生は、当然元の研究室生活へと帰還していきます。
ドクターに進学する学生以外全員が通る平和な(?)帰り道です。
(もう残すは修論を無事に通過するだけ・・・!)
ところがね、これがなかなかやる気が出ない。
僕も6月頭に最後の面接が終わったんですけど、そこからしばらく義務感で研究室には向かいものの、いまいち身が入りませんでした。
学校の勉強と一緒で、研究もやればやるほどやる気が湧く類だと思うんですけど、
その没頭した状態を就活で一度脱しているため、もう一度没頭し直さないといけないんですよね。
でも、あと進捗を100出そうが、50で終わろうが来年いる場所は変わらないという事実が頭をよぎると、どうしてもいまいち本気になれなかった。
いや、わかってる。しっかり切り替えて研究を進めることが正しいことだって。
ところが直近で結果を出さないといけないことも無かったので、計画を練るというしんどいステップを踏まず、なんとなーく思いついたことに手をつけては時間が過ぎていきます。
論文を読み漁ったりしてみたもののふと気づくと頭の中では脳内でテニスのラリーしてたり、Vaingloryで敵をボコボコにしてる。
というわけで、僕はこの就活直後の時期は結構よそ見しました。
でもそのうち何個かは今も有用だと感じています。
言い換えると、ちゃんと自分への投資になってたな、というものです。
今回は僕がやっていた意味のあった寄り道、
やっておけばよかった寄り道の紹介です。
断っておきたいのは再度研究に本気を出すのが最も尊いことだというのは前提です・・・!
No.1、英語のプレゼンの勉強
ちょうどこの頃、同期が国際学会の準備をしていたんですよね。もちろん英語のポスターで英語発表です。
しょっちゅう先生とディスカッションしたり、公開発表練習したり。
皆、「フランス行けるのはええけど、大変やなあ・・・」と口々に言っていたんですが僕は正直焦りのようなものを感じていました。
(彼はおそらく今後会社で英語の発表の機会が来てもそれほど苦にしないだろう、一方自分は・・・!)
というわけでこれまで好きでも嫌いでも無かった英語の勉強を始めました。
リスニング
初めに取り組んだのはリスニングでした。
というのも、よく英語の発表経験者の話を聞くと、質疑応答がきついと聞きます。
発表のセリフは暗唱でいけても相手の質問を聞き取って瞬時に回答するというのは準備できないからです。
というわけでそこを自分一人でできるものとしてリスニングから手をつけ始めました。教材はEnglish Centralを使いましたね。
http://sarupote.com/archives/200
結構これは実感するレベルで成長したと思いました。
研究室のPCでお手軽にできます。
すると、僕にも国際学会の話が舞い込んで来ます。
「ベルギーの国際学会なんてどうですか?」
http://sarupote.com/archives/468#i-5
もちろん返事は「はい!行きたいです!」
この話もあって、この頃(夏)にはだいぶ研究そのもののモチベーションも回復してきていたんですけど、英語の勉強は続けました。
英語プレゼンの授業
国際学会って嬉しいですけど、でも「本当に英語で発表できるの・・・?」という不安はありました。
そこで、正直単位は揃ってていらなかったんですけど、思い切って英語のプレゼンを練習する授業を取りました。
楽単の対極にある授業です。学部生の頃なら100%見向きもしません。
内容は半期に2回、自分の研究を外国人の先生、受講生の前で15分発表し、聞いてる学生は座長を持ち回りでこなす。
正味、超めんどくさい。
けど、終わってみればやって良かったなって思う類です。
「良いこと教えてもらったな」という感覚はないんですけど、何より人前で英語の発表をしたという事実が効力を持っています。
あまり研究に身が入っていなかったからこそ言い回しとかすごい工夫して台本を作っていましたね。
No.2、プログラミングの勉強(Python)
エントリーNo.2はプログラミングの勉強です。
言語はPythonからとっかかることにしました。
CとかJavaとかが最もメジャーだと思うのですが、情報学系の知り合いから、
最もとっつきやすいのはPythonで、それを覚えたら他の言語の理解も早い
というアドバイスをいただきまして、素直にPythonの勉強を始めました。
ChekiOがゲーム感覚もあって良かった。
当時僕が勉強に使ったのは、参考書とかではなくWebサイトでした。
その名もPy.ChekiO
なんて読むんですかね、勝手に「ちぇきお」って読んでましたけど・・・。
このサイト、なるべくゲームっぽい作りを目指してるようで、コレクター魂をくすぐられます。
各ステージをクリアすると次に進めるようになります。
一個一個の問題は、相当簡単なところからスタートします。
特に最初の「ELEMENTARY」の問題は有名な「FizzBuzz問題(世界のナベアツ問題)とかから始まります。
現在仕事でVisualBasicを使っているのに役立っている
自分で言うのも残念ですけど、なかなか半端な状態でプログラミングの勉強は終わりました。
知り合いに手取り足取り教えてもらって、UV吸収スペクトルをたくさん測定したときに一つのフォルダを指定するとそのフォルダ内の全てのTextファイルをグラフ化するプログラムを作ったりはしましたが、自分一人で作る力は付かず。
ただ、それでもこの時期の勉強は社会人になった今役に立っています。
というのも最近ちまちまとVisualBasicを使ってプログラミングしてるんですよね。
http://sarupote.com/archives/710
こういう時にループ構文とかが当然でてくるんですけど、これがすんなり理解できる。
あ、「最もとっつきやすいのはPythonで、それを覚えたら他の言語の理解も早い」というアドバイスはこういうことか、と。
これからどんどんIT技術は一般的なスキルになってきて、プログラミングを書けることはWordを書けるのと同じくらいの障壁になるんじゃないかと思います。
別にIT系の業務をしていなくたって、Google フォームとかスプレッドシートを使いこなしている人はエディターでプログラム書いて自由自在に業務を効率化してますしね。
立派な力は身につかなくてもとりあえずプログラミングの門戸を叩いておくのは学生のうちにやるのが良いと思いますね。
[番外編]やらなかったけどやっておけばよかったと思うこと1:ブログ
当時、ブログという選択肢は視界になかった・・・!けど、やればよかった・・・!
http://sarupote.com/archives/424
ブログってストックメディアとしての性質だったり、ドメインパワーの観点から、早く始めれば始めるほどそりゃ有利なわけですよ。
社会人になって副業持っておきたいなと思って始めたこのブログを学生時代から始めてれば今頃月10万PVくらいいっててもおかしくないと思うんですよね。
時間なんて沢山あったし。
学生の頃からやらなかった後悔が生まれたのは、実際に学生の頃からともよしさんが運営されている「ともよしブログ」を読んでから。
もうこれはそういう世界を知っているかどうかだと思うんですよね。
少しでも興味もったら例えばひつじさんのサイトでも読んでみるといいです。
このサイトに書いてあることだけで少なくともこの「ぽてはじめ」程度のものはできあがります。
[番外編]やらなかったけどやっておけばよかったと思うこと2:危険物取扱者試験
こちらも学生時代は知りませんでした。
社会人になってから痛い目にあうとは・・・!
この件については理系とーくの方で記事を書きましたのでこちらをどうぞ。
終わり:よそ見も悪くはないと思うよ。でもそのうちちゃんと研究に帰るんだよ
というわけで、今回取り上げた研究からのよそ見は僕にとって悪くない自己投資になっています。
英語やプログラミングへの抵抗がなくなりましたし、
もしブログをやっていたらまた少し生活が変わっていたと思います。
どうせ研究に身に入らないなら、何か身に入る有益なことに力を入れるのも悪くはないと思います。
でも、最後はちゃんと研究に戻りましょうね。(卒業できなくなっちゃうよ!)