前回は修士一年秋までの生活でした。
化学系研究室の生活の一例・・・有機系のわりに自由だった(構造有機化学編_前半)
最後は土曜に自主的に研究するモチベの話で終わりましたね。
無機化学系の研究室にいた頃の話はこちら
化学系研究室の生活の一例(無機化学編)
引き続き、研究室生活の読み物です。今回は三部構成の中編です。
もくじ
夏休みの話を飛ばしちゃってたけど、長期休暇は夏冬10日くらいだった
前回、夏休みの話はしていませんでしたね。
僕は夏休みも年末年始もだいたい10日くらいでした。
他所と比べると少し多い方だった気がします。
普段ハードなところは長期休暇も短くて、一番短いところでは山の日を含む三連休が夏休み、みたいなね。
「それ、夏休みちゃうやん」
というツッコミは
「いや、普段土曜祝日休みじゃないんでこれは長期休暇です」
と、あっさりいなされます。
実際にはうちの研究室は明確に何日〜何日は夏休み、と決めているわけではなくて、
直属の先生に、「自分、何日〜何日おやすみいただきます!」って宣告する制度でしたね。
どこまでも自主的だ。
韓国から来ている人とかは二週間夏休みをとって帰省したりしてましたね。
いずれにせよ、50日くらいあった学部生の夏休みはどこの研究室にもありません。
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年明けには日中シンポジウムに参加。日本だったけど・・・。
前回お話した通り、とりあえず発表のストーリーを組むことができる結果は早々に出ていましたし、先生がどんどん学会とかには出させてくれるタイプだったので、年明けに日中シンポジウムに参加してきました。
残念なことに開催地は日本でしたが。
たしか2泊3日で名古屋まで。
英語の発表は難しいよ
アットホームな雰囲気だったんでしたが、何せ初めての英語の発表でした。
もう最終的には手だけ忙しなく動く状態。
向こうの質問は聞き取れんし。
わかってくれたっぽい日本人の先生が通訳とかしてくれちゃいましたね。
正直悔しくてこの頃からちょいちょい英語の、特にリスニングの勉強を始めました。
就活が始まる
2月ごろになるとさすがにそろそろ就活考えないとかな・・・ってなります。
特別意識したことはない会社でしたが一個だけ1dayのインターンを受けました。
また今度就活の記事に書こうと思いますが、
とりあえず一個インターンを受けるのは選考の時期に少し精神的に楽になります。
そんでついに3月1日になると企業説明会解禁です。
まあ、どこも説明会という名前をつけずに説明会なんてあちこちでやってるんですけどね。
インターンだってそうだし。
能天気だった僕はかなり出遅れましたね。
類は友を呼ぶので周りの友達もそんなんだったので全然気づかなかったし、
入社してから驚いたんですけど、
もう3月の時点でほぼほぼ合格したようなものって状態の人はたくさんいるんですよね。
僕が初めて弟にスーツを借りて説明会に行っていたころ、そこそこの割合で就活終わってもいいかなって人がいたわけです。
おそろしや〜
正直自分が何をやりたいのかはよくわかんなくて、最も社会的に価値が見出されるであろう化学の力で就職することにしました。
結果的にはハイパー売り手市場だったこともあり上手くいきました。もちろん時代に依存するはずですが、院卒の就活って結構そんな感じの人が多い気がします。自分に起きた事件なんて、iPhone落として割れたくらいですね。
就活が終わると研究のやる気はでない。そんな時にご褒美をちらつかされた。
無事就活も終わり、「来年からは〜〜で働くのかあ」って思うと、日々の研究に対するやる気は滅します。
だって、たぶんこのまま行けば卒業はできるし、それ以上積み重ねてもなんも残らないし。
惰性で動いていました。
その頃、教授から、
「国際学会になりますが、ソルベー会議に出ませんか」
のメールが。
ソルベー会議とか知らんけどもう当たり前のYes。80Yesくらい。
海外に行ったことなかったんですよね。
もう、これは行くっきゃない。
というわけでちゃんと参加できるようにめっちゃ準備しました。
研究のやる気もV字回復。
これを見越してたんなら策士ですよね。
他の同期は燃え尽きたままなのでかわいそうでしたが・・・!
と思ってたらもう一人フランスの国際学会に出ることが決まり。
今こうやって振り返ってみると若いけど本当に力のある教授だったんだなあって思うものです。
第五回ソルベー会議は伝説的な学会だった。
今だって力ある学会ですが、第五回ソルベー会議は伝説的だったようで、化学オタクでもなんでもないですが写真を見て感動した覚えがあります。
アインシュタイン、キュリー夫人とかは物理や化学とは無縁の人でも知っているでしょうし、
シュレディンガー、プランク、ローレンツ、ディラック、パウリ、ド・ブロイ、ブリルアン、ラングミュア、ボルン、ボーア、コンプトン、ハイゼンベルグ、デバイ・・・もう、ほっとんどが名前を見て、式や定数、定理が連想されるレベルの偉人。
たぶんこの写真撮影時に手榴弾でも投げ込まれてたら、2018年の今でも20世紀の文化レベルになっているのは間違いないです。
このメンツの凄さはサッカーで言ったら、
ペレ、マラドーナ、クライフ、ジーコ、ベッケンバウアー・・・とかでしょうか。
戦国時代で言ったら
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、上杉謙信、武田信玄、北条氏康、毛利元就・・・が一堂に会した写真って感じです。
ミュージシャンで言ったら。。。ってもういいか。
今は現地の研究室の学生も参加するような形式になっていますが、昔は神々の会合だったんですね。
というわけでやる気がマックスになった初夏までの研究室のお話、中編でした。